トムボウイズを忘れない

夢のような時間だったからでしょうか?

何にもなかったみたいに当たり前に日常が続いていて、

トムボウイズが解散した事も夢なら良いのになって思ってしまいます。


トムボウイズのライブから今日でちょうど1ヶ月です。

あれから毎日、しかも日に何度も、

油断するとついついトムボウイズの事ばかり考えてしまって、

本当に失恋しちゃったかのような、

初恋が終わってしまったかのような、

「どうせ恋が終わるならせめて夏にしておくれ」って、

せめてもの救いは「この恋が夏に終わった事」くらいのものですね、

色々あった夏の終わりだったけど、忘れられない夏になりました。


トムボウイズが「今年の夏の全て」だったので、

気づいたら夏はどこかに消えていて、

今年の夏がやけに短かったのは決して秋の始まりが早い訳じゃなくて、

全部トムボウイズのせいなんだと思います。


この「長いあとがき」もそうです。

ただ「想った事」を書けば良いだけなのに、

書いたらトムボウイズが終わってしまう気がして、

トムボウイズのせいで時間ばかり過ぎてしまいました。


そんな理由もあり、今更ながらで随分とお礼が遅くなりましたが、

あの日あの場所に集まってくれた皆さんに、

ハイコーフェスから愛と感謝を込めて1人残らず本当にありがとうございました。

もちろん愛はあるけど残念ながら来られなかったって人もいるかと思いますが、

その辺はちゃんと伝わっているつもりなので安心してまた次遊びに来てください。

とにかく関わってくれた皆さんに、

関わろうとしてくれた皆さんに心から感謝します。

本当に本当にありがとうございました。


溺れるほどの愛で皆さんをお迎えしたつもりですが如何でしたか?

とにかく皆さんが来てくれたおかげでイベントが「成立」しました。

皆さんが楽しんでくれる事でトムボウイズを喜ばせてあげる事も出来ました。

トムボウイズとハイコーフェスの大事な大事な合言葉、

「ボクは君を楽しませたい、君はボクを楽しませてくれる」を証明できたのは、

あの日、あの場所に集まってくれた皆さんのおかげです。

企画運営した我々ばかりが褒められますが、

来てくれた皆さんのおかげで応戦してくれた皆さんのおかげで全てが成り立ちました。

あの日「世界で一番面白い場所」を一緒に作ってくれて本当にありがとうございました。


さて、ところでこちらはと言えば、

久しぶりに死ぬほど愛を見せたせいか、

溺れさせるはずがまんまと自分が溺れてしまい、

次の日は「ほぼ死体」でゴマシオを営業しました。

主催者にも関わらずクソみたいな前座もして、

主催者にも関わらずクソみたいに楽しんでしまって、

でもトムボウイズが愛してくれたハイコーフェスの進藤くんって、

「非日常を作るのが上手い頑張るクソ」なので、

かけがえのない時間を一生懸命に楽しんだら、

次の日からはちゃんと一生懸命に生活しないとロックじゃない気がして、

なのでトムボウイズのおかげでなんとか頑張れました。

(あまりに疲れ果ててゴマシオ閉店して19時には、こーちゃんと死んだようにそのまま朝まで寝てましたが。)

そう言えばヒナさんが「バンドを続ける事は大変さよりも楽しいの方が全然大きい」と言っていたけど、

なんか今回は本当にそんな感じで罪悪感の欠片もなくて、

まがいなりにもハイコーフェスを終えてこんな風に思えたのって久しぶりな気がしました。

本当に「やって良かった」しかないんです。


翌週の東京での解散ライブも、

せっかく除雪さんが顔ハメパネルを届けに車で行くんだから、

一緒に乗っけてもらう事も出来たんだけど、

「ハイコーフェスのターン」みたいなのはあの日で終わった気がしたし、

「あの日以上の想い出」を望んだらトムボウイズに悪くて、

なので解散の瞬間は目撃できなかったけどこれで良かったんだと納得する様にしました。

もちろん、本音を言えば衝動的に東京まで行く方が「ロックだなー」とも思ったし、

これで本当に最後なんだから行かなきゃ絶対に悔いが残る気もしたんだけど、

この心残りと名残惜しさと後悔も「ロック」だと思うし、

「いつかまた会いたいって願うのがオレのロックなんじゃないの?」って自分に言い聞かせて、

悔いがない訳じゃないけど納得はして、

自分としては「サイコーなフラれ方」ができた気でいます。


そうこうしている内に8月30日でトムボウイズはそのバンドの歴史に幕を下ろしたそうです。

配信ライブでも十分に伝わる大入りの会場に大歓声と大きな拍手、

惨めさや情けなさが微塵もない惜しまれながらの最後は、

なんて幸せな終わり方だろうと思いました。

それと同時にまるで流れ星が消えるみたいな最後は、

全然これが最後のライブじゃないみたいな呆気ない終わり方にも見えて、

トムボウイズは「やり切ったんだなー」と思いました。

最後までみんなが愛したトムボウイズのまま、

ハッピーロックンロールをやり切ったように見えました。


「本当に良いバンド」だったので後悔しない訳はないと思うけど、

見事なまでのトムボウイズの最後で、

それから数日は余韻しかありませんでした。

ずっと映画のエンドロールが終わらないみたいな変な感じで、

終わったけど終わってないみたいな、多分認めたくなかったんだと思います。


解散から一週間ほど経った頃でした。

マドカさんから手紙が届いたのです。

思えば「ヒナさんのメール」がこの物語の始まりで、

「マドカさんの手紙」でこの物語が終わろうとしている訳で、

あまりにも出来すぎた絵に描いたような展開だったけど、

「ハッピーエンドの物語」はベタな展開ほど幸せな気分になれるし、

「ハッピーロックンロールの最後」だってベタすぎる方が余計に切なくて、

便箋を封しているハートのシールを見ただけで、

「これこそまさにラブレターだよなー」って、もう既に胸が痛いくらいでした。


「ハイコーフェスというイベントがトムボウイズを作ってくれた気がします。」

手紙には色々と書いてありました。

色々、色々と書いてくれていました。

本当に色々と書いてくれていたんですが、

この一言だけでもう充分でした。

この一言を貰えただけでこの恋の全てが報われた気がしました。


ハイコーフェスにトムボウイズが必要な事は皆さんもご承知のとおりで、

でもトムボウイズにとってもハイコーフェスは特別な「何か」だったみたいで、

もちろんずっと好きでいてくれた事は伝わっていたけど、

でも心のどこかで「そんなはずない」って本気にしないようにしていた気がします。

だって神戸だったり東京だったりたくさんあるじゃないですがトムボウイズの大切な場所が。

だからこそ本気にしちゃうのが怖かったのかも知れなくて、

ずっとトムボウイズに片想いしている感覚だったんです。

でもここまで言ってもらえるなら認めるしか仕方がないなーとも思いました。

トムボウイズはハイコーフェスを愛しています。

しかも神戸や東京とはちょっとベクトルの違った愛、

長い長い永遠の片想いってヤツです。


皆さん覚えていますか?

「たとえどんなにカッコ悪い片想いだとしてもハイコーフェスを復活させたい」って言葉を、

これはヒナさんが最初にくれた言葉です。

ハイコーフェスがどんなに愛を見せてもどんなに好きだと伝えても、

トムボウイズもハイコーフェスを「片想い」だと思っていて、

「片想い」って美しいですもんね、

美しくて儚くて痛々しくて勘違いばかりして本当に切ない切ない、

好きが大きくなりすぎて相手の気持ちさえ見えなくなって、

本当はずっと両想いなのに「片想いしている気」になって、

トムボウイズとハイコーフェスの関係性ってまさにそれで、

なんかその「勘違いするくらいに愛してる」みたいな関係性が、

ただの両想いなんかよりずっと「尊いモノ」のような気がして、

だって「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」のラストシーンみたいだし、

思春期のボクのポケットの中、「銀色夏生のわかりやすい恋」みたいで、

だからこそトムボウイズはハイコー出演者の中で特別な気がするし、

だから余計に好きだったんだと思います、恋に似ていたんだと思います。


言葉にしないと伝わらないから、

想ってるだけなら愛してないのと同じだから、

だから最後に「バカにも分かりやすくここまで噛み砕いて伝えてくれた」気もします。

これがトムボウイズからハイコーフェスへの最後のラブレター、まさに愛の告白でした。


にも関わらず、そんなにハイコーフェスが好きなのに、

トムボウイズはハイコーフェスを卒業するそうです。

それどころかバンドも解散してしまって、

せっかくの愛の告白にハイコーフェスは返事を返す事さえ出来ません。

でも、もしもこの先、例えばいつかハイコーフェスが復活できた時には、

トムボウイズの愛の告白が「お守り」になってくれた事、

皆さんにもちゃんと覚えておいて欲しいんです。

ハイコーフェス復活のきっかけになってくれたのがトムボウイズだって事を、

トムボウイズがハイコーフェスの最高傑作だって事を、

せめて皆さんにはずっと覚えておいて欲しいんです。


トムボウイズが最後にもう1回だけ秋田に来てくれた事は「奇跡」です。

例え「偽物」だったかも知れないけど、

トムボウイズのためにとハイコーフェスを開催できた事も「奇跡」です。

だって「もう二度とやってはいけない」と自分で呪いをかけていた訳で、

奇跡が起きない限りは復活なんてあり得なかった訳で、

でも「奇跡」って信じた者の下にしかやって来ないし、

「ボクが思いつくだけの事が起こるだろう、君が信じられるだけ夢は叶うだろう」な訳で、

これってずっと「ハイコーフェスが信じてた何か」なのに呪いのせいで動けなくなって、

その呪いを解いてくれたのがヒナさんで、

「ハイコーフェスやってください!必ず!」ってあの一言で「奇跡」が起きたんだから、

やっぱりボクは信じたくなるんです。


ハイコーフェスを「奇跡を起こせる人たち」と呼んでいる人がいました。

奇跡を起こせるかどうかは分かりませんがボクは「奇跡」を信じています。

もしもハイコーフェスが復活したら、

その時は必ずトムボウイズに出演依頼を出します。

解散してても、音楽活動していなくても、

それでもトムボウイズがハイコーフェスには必要だから、

「いて欲しい」とか「来て欲しい」とかそう言うんじゃなくて、

ちゃんと4人でステージに立って、ちゃんと出演しに来て欲しいから、

ちゃんとトムボウイズに出演依頼を出すつもりです。


「最後にもう1回だけヤラせて!」ってクソ男が言わなきゃダメな台詞ですよね?

「純度が高いバカの集まり」で有名なハイコーフェスのボクが主宰の進藤くんです。

諦めの悪いクソ男らしく最後はボクに言わせて欲しいんです。


「奇跡」がもしも起きなくても、

信じ続けるだけで半分奇跡が起きてるようなものだから、

なので皆さんにも「奇跡」を信じて欲しいんです。

トムボウイズの事をずっと忘れずに待ってて欲しいんです。


ボクはトムボウイズを忘れない。


東京から夜通し車で8時間、疲れ切った体で、でも会場に着くなり車から飛び降りて来てくれた事を忘れない。


6年ぶりの再会なはずなのに全然久しぶりな感じがしなかった事を忘れない。


6年前は誰よりもシャイで全然話せなかったワカナさんが、我先に「進藤さーん!」って駆け寄ってくれた事を忘れない。


「今日はありがとうございます」なんてあんまり真っ直ぐ見つめられたもので照れて目を逸らしてしまったヒナさんの目を忘れない。


「進藤さんは私推しですもんね!」的な「彼女ヅラ」で車から降りて来てくれたマドカさんを忘れない。


初対面にも関わらず「ベニーランドの帽子だ!」って小学生みたいに懐いてくれたアメちゃんを忘れない。


玄関入口の装飾を見ただけで「こんなん無茶苦茶や!愛がヤバい!」と呟いてたヒナさんを忘れない。


「愛が怖すぎる!殺される!」と殺される人と真逆のワクワクした目で訴えかけてくれたマドカさんを忘れない。


顔ハメパネルに感激しすぎて「ファイナルに持って行きたい!」って、「車に入るやろ?」って、結果除雪さんが東京まで運ぶ事になる続編ドラマまで演出してくれたヒナさんとマドカさんの会話を忘れない。


階段のライトに描かれた自分の名前を見つけて、「これめっちゃ良い!」って記念撮影してた4人の姿を忘れない。


会場に入る瞬間に「ディズニーランドみたいですよ」ってボクに、「マーメードシアターラグーンやな」って返してくれたヒナさんを忘れない。


会場に入った途端に「ファイナルここでええんちゃう?」って苦笑いしていたマドカさんを忘れない。


「すぐ泣くからあんまりちゃんと見んようにしてる」って既に涙目になっていたマドカさんを忘れない。


いろんな気持ちを噛み締めるように会場を見渡しながら「良いなー⤴︎」って呟いてくれたワカナさんを忘れない。


「疲れたでしょ?リハまで仮眠してしてください」ってボクに、「この会場で寝たい!」って明らかにテンションが上がっていたアメちゃんを忘れない。


会場のシャワーが何でか水しか出なくて修行気分で冷水を浴びてくれたワカナさんを忘れない。


ハイコーフェスを再現したくてお昼ごはんにこーちゃんがゴマシオでカレーを準備してる話をしたら、「こずえさん」と呟いてくれたヒナさんが可愛かったのを忘れない。


リハ後にカレーを食べる時、「せっかくだからゴマシオで食べる?」と聞くと、「え、近いんですか?」って、すぐそこにゴマシオがある事を知って発狂してくれたマドカさんを忘れない。


会場からゴマシオまでの100メートルもない道をワクワクしすぎて早歩きで爆走していたワカナさんを忘れない。


ゴマシオの入口を前に「ヤバい!嬉しすぎて死ぬかも!」と呟いていたヒナさんを忘れない。


店内のBGM、「あ、ドレスコーズだ!」ってルンルンしていたアメちゃんを忘れない。


「みんなカワイイ!全部カワイイ!」と女の子モード爆発してた4人の姿を忘れない。


「ライブ前だし、カレー、ごはんどれくらい盛る?」って質問に、「常に満腹にしてたいんで!」と大盛りを要求したマドカさんとワカナさんとアメちゃんを忘れない。


ゴマシオに近江さんを登場した瞬間に、「近江さん!」ってみんなが一斉に立ち上がった姿がOB訪問みたいで面白かったのを忘れない。


本番前の集中したい時にも関わらず、くだらない前座を大笑いして見てくれた事を忘れない。


ステージ登る時、ちゃんと誘導しなかったから上手からじゃなくて下手から上がってしまい、踏み台がなくて苦労してステージに登ってた姿を忘れない。(特にマドカさん)


トムボウイズがステージに揃った時に、「あー、始まったら終わっちゃうなー」とちゃんとハイコーフェスみたいに淋しくなったのを忘れない。


1曲目フルーツキャンディが始まった瞬間、リハとは違う本気の迫力の爆音が響いて、これ大丈夫かなーって音漏れがどれくらいか気になってスーパーダッシュで近所を一周したら弟も音漏れ確認してた事を忘れない。

しかも頑張って防音対策したおかげで全然音漏れもしてなくて、そのせいで1番好きな曲が半分も聴けなかったけど悔いはない事を忘れない。


「ヒナさんってこんなに華があったっけ?目が離せないじゃん!」って、ボーカルとしての進化に驚いた事を忘れない。


「マドカさんってこんなに顔でギター弾くんだっけ?もはやジムキャリーじゃん!」って、やっぱりこの人好きだなーってヒナさんに釘付けになってた自分を反省した事を忘れない。


「ワカナさんってこんなにコーラス上手いんだっけ?もはや大黒摩季じゃん!」って、新たな一面に驚いた事を忘れない。


「アメちゃんってこんなに顔でドラム叩くんだ!もはやマドカさんじゃん!」って、なんか良いコンビだなーと思った事を忘れない。


6年ぶりに見たトムボウイズはやっぱり良くて、改めて解散しないで欲しいと願った事を忘れない。


ヒナさんが「近江さんに捧げる!」って叫んで「GO MERRY GO」のイントロをマドカさんが弾き始めた瞬間の近江さんの満足そうな顔を忘れない。


除雪さんが人生のピークかってくらいに楽しそうにしていた事を忘れない。


オレが事前に送っていたリクエスト(20曲)のとおりに曲順まで完璧に演奏してくれた事を忘れない。


トムボウイズを見ているみんなの顔が素晴らしかったのでいろんな場所に移動していろんな人を眺めた事を忘れない。


わざわざ東京から来てくれたのに1番後ろの椅子席に座って見ている蘭子さんが見ている光景も見てみたくて途中で隣に座って見た事を忘れない。


ヒナさんがあまりにも光り輝いててロックスターだった事を忘れない。


マドカさんのトークが相変わらずしょうもなくて嬉しかった事を忘れない。


ワカナさんが終始めちゃくちゃ楽しそうで、この人が1番トムボウイズだなーと思った事を忘れない。


初見だったアメちゃんのドラムがちゃんとトムボウイズで違和感ゼロだった事を忘れない。


盛り上がった近江さんがキモキモダンスしてて仕方ないから便乗してあげた事を忘れない。


休憩で配るドリンクを作ってる時に、普段あまりはしゃがない系の弟が湘南乃風のファンみたいな盛り上がり方をしながらドリンク作りをしてた事を忘れない。


第一部終了までの1時間があまりにもあっという間で既に悲しかった事を忘れない。


メンバーのイメージ色で作ったドリンクはワカナさんが1番人気だった事を忘れない。

入場時に配ったクッキーもワカナさんが1番人気だった事を忘れない。


楽屋にドリンクを持っていくと、たかがジュースくらいでバカみたいに喜んでくれた事を忘れない。


第二部の1曲目、Moonlightがあまりにも素晴らしく、フルーツキャンディとランキング1位が入れ替わった事を忘れない。


第二部はハイコー後に出来た曲が中心のセットリストだったんだけど、最新型のトムボウイズの楽曲たちは思い出のトムボウイズを超えてくる素晴らしさで、解散するバンドにありがちな「初期は良かったのに」じゃなくて、むしろ後期ビートルズ的な変化で、この感じでアルバムあと二枚くらい聞きたかったなーと思った事を忘れない。


「ハイコーフェスを独り占めできて嬉しい、歴史は浅いけどハイコーフェスへの愛はどの出演者にも負けない」って言ってくれたヒナさんを忘れない。


タイムマシンなんてのアメちゃんのドラムが神がかっていた事を忘れない。


すきとおるのイントロの時のワカナさんの待ってました感を忘れない。


LIFE ISでとうとう最前列まで攻め上がってしまったオレの姿を確認して嬉しそうにしてくれたマドカさんを忘れない。


ギターの上手い下手なんか全然分かんないけど、やっぱりマドカさんのギターを弾く姿はカッコいいと思った事を忘れない。


いよいよ本編が終了しそうで切なくなって最後感情が抑えきれなくて最前列を前に引き上げようと振り返って手招きしたら、どこからともなく澁谷くんが嬉しそうに隣に飛んできた事を忘れない。


みんなもトムボウイズに愛と感謝を伝えたいらしく最後は会場中がバカになって、最後のハイコーフェスのリンダリンダ状態で熱狂したら、ヒナさんが堪えきれずに涙こぼしながらグータッチで気持ちに応えてくれた事を忘れない。


アンコール盛り上がり過ぎて終わりたくなくて、これが本当の最後にもう1回だけヤラせてだから、泣きのダブルアンコールをした時に、すでに1回演奏してたけどもう1回トムボウイズのテーマで発狂しなきゃこの興奮は治らなくてリクエストしたら、「悪くないなー、最後にもう1回跳べる?」ってマドカさんとワカナさんに確認してくれたヒナさんを忘れない。


最後の曲はあまりに熱狂したのでほとんど記憶がないんだけど、演奏中に後ろを振り返った時の会場の雰囲気が本当にハイコーフェスの最後みたいで嬉しかった事を忘れない。


フィナーレのババンババンバンバンするトムボウイズが可愛すぎて、永遠にババンババンバンバンしていたかった事を忘れない。


お別れの一言を最初に振られて怯んでいたアメちゃんの苦い顔を忘れない。


堂々と圧倒的な古典ポーズで笑いを取ってたワカナさんのギャグセンスを忘れない。


「マゾカでーす!」って早速新ネタを披露していたマドカさんのサービス精神を忘れない。


残り秒数まで計算したかのように見事な締めだったヒナさんの頼れる姿を忘れない。


最後に手伝ってくれた人たちもステージに上げようと思ったらみんな恥ずかしがって出て来ず、結果最初に呼ばれた近江さんとモトノブさんだけ壇上にいて、トムボウイズのサポートメンバーかの様に手を挙げていたのが面白かったのを忘れない。


「進藤さんが考えた事は全部やります!」ってライブ後すぐに階段に立ってお客さんを1人づつお見送りしてくれた事を忘れない。


トムボウイズにお見送りされた事に感激したお客さんがわざわざステージの撤収してるオレのところにまで戻って来て感謝を伝えに来てくれた事を忘れない。


ハイコーフェスと同じくライブ後4人で仲良くババヘラアイスを食べてる姿を忘れない。めっちゃ食べてた事を忘れない。


寄せ書きに描いてたトムボウイズのイラストがやけに上手いなーって見てたら、描いたのヒナさんだった事を忘れない。


会場の片付けしてる時に柴田くんが、「今日のトムボウイズは一緒に見に行った時のクロマニヨンズより良かったですねー」と言ってくれた事を忘れない。


打ち上げでマドカさんが「来年ハイコーフェスやりましょう!」ってしつこく言ってた事を忘れない。

「やりましょう!私スタッフやります!」って10回以上は言ってた事を忘れない。


酔っ払ったアメちゃんと一緒にベニーランドの歌を歌った事を忘れない。


前日の夜に実家からたくさんもらった枝豆ときゅうりを消費したく、こーちゃんが茹でたり漬物にしたりで打ち上げに持っていく準備をしたのを、「枝豆ときゅうりって田舎臭いよねー」ってさんちゃんと笑っていたら、あの場所にいた誰よりも田舎臭くないヒナさんが誰よりもたくさん食べてくれた事を忘れない。


最後の1個で遠慮して誰も手を出さなかった可哀想な唐揚げを「もらいまーす!」とパクリと食べたワカナさんを忘れない。


翌日、ゴマシオの開店前、窓の外に随分と派手な人たち並んでいるなーと思って開けたらトムボウイズだった事を忘れない。


二日連続のゴマシオにも関わらず、新鮮なリアクションで誰がどの席に座るかとか悩んでる姿が可愛いかったのを忘れない。


さすがにみんな疲れていたのかソファーに座ったらスイッチが切れたみたいで、ちゃんとオフの顔になってボーっとして正しい喫茶店の使い方していた事を忘れない。


「本棚にある寺山修司の三部作、私も持ってます!、「めっちゃ好きです!」とヒナさんから告白された事を忘れない。

そこだけ録音させてもらって目覚ましにしたかった事を忘れない。


ヒナさんに好きな喫茶店を聞いたら「ここです」と言われた事を忘れない。


ヒナさんとワカナさんがケーキを食べながら「これめっちゃ美味い」を連発してくれたのを忘れない。

「高島屋とかに置いたら良いんちゃう?」って言ってくれたのを忘れない。


その流れでアメちゃんが「誕生日ケーキに送って欲しい」と呟いた時に居合わせ除雪さんが反応してたのを忘れない。


シシリアンライスを完食したマドカさんが「いやー、悪魔的美味さでしたねー」と色レポし、「次はこちらを頂いてみます」と食後のケーキとアイスコーヒーに取り掛かる流れが彦摩呂さんだったのを忘れない。


ライブ後に「そう言えばマドカ今日は泣かんかったな?」とイジられていたマドカさんが、「今日は最後までやり切ろうと思った!」とおどけていたマドカさんが、ゴマシオを出ていよいよさよならする時にボロ泣きしてくれた事を忘れない。


1人づつ握手した時の手の感触を忘れない。


ワカナさんのあったかい手を忘れない。


アメちゃんのちいさな手を忘れない。


最後のヒナさんの物言わぬ目を忘れない。


マドカさんの泣き顔を忘れない


「ボクは君を楽しませたい、君はボクを楽しませてくれる」を忘れない。


4人の事を忘れない。


バンドは解散しても人生は続くし、

いつかどこかできっと会えるし、

こんなにもボクをしあわせにしてくれたんだから、

君はしあわせにならなきゃいけないよ。


どうか元気で、おしあわせに。

お体には気をつけてね、あと愛に気をつけてね。


ボクは君を思い出さない、だって君を忘れないから。

ボクは君を忘れない、トムボウイズを忘れない、ずっと。